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加島祥造   

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056.gif加島祥造「求めない」,「受いれる」心の声に耳を澄ませば何歳からでも生き直せる掲示板
http://bit.ly/PAQpu1


(*)加島祥造(かじましょうぞう)プロフィール
生年月日 :1923年1月12日
出身地 :東京都
<略歴>
早稲田大学英文科卒、カリフォルニア州クレアモント大学院留学。 信州大、横浜国大、青山学院女子短大に勤め、フォークナー、トウェインをはじめ、数多くの翻訳・著作を手がける。
1993年「老子」に出会い、英語からの自由な翻訳を試みた『タオ ヒア・ナウ』(PARCO出版)を出版、 全訳を収めた『タオ-老子』(筑摩書房)とともにロングセラーとなっている。 現在は、信州・伊那谷に独居し、詩作、著作のほか、墨彩画の制作をおこなっている。
著書は「伊那谷の老子」「タオにつながる」「老子までの道 六十歳からの自己発見」(朝日文庫)、「エッセンシャル・タオ」(講談社)、 「タオと谷の思索」(海竜社)、「肚 老子と私」(日本教文社)、「荘子 ヒア・ナウ」(PARCO出版)、 「ほっとする老子のことば いのちを養うタオの智慧」(二玄社)をはじめとして、詩集、画集含め多数出版されている。また、墨彩画個展も多数。








(*) 人生が「空っぽ」になる前に 詩人・加島祥造 インタビュー
(MSN産経ニュース 喜多 由浩)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120911/art12091103120000-n1.htm

 ーー人間は大人になるにつれて「社会の自分」が大きくなってゆく

加島祥造 ; そう、みんな競争に夢中になって、「負けまい、負けまい」と懸命に働く。会社のためにエネルギーの80%も使ってしまう。どうしてそんなに競争に勝つことばかり求めたがるのかな? 恐らくレールから外れるのが「怖い」からだね。でも、そんな生活を続けていると、肉体的にも精神的にも疲れる。50代、60代になれば、「空っぽ」の人生になってしまうんだよ。

 ーーでも、出世をし、お金持ちになる「喜び」もあるでしょう

加島祥造 ; あるだろうね。ボクも30代、40代のころは(大学教授、翻訳家などとして)社会の中に入り務めも果たした。ただ、それは「競争社会での喜び」であって「生きている喜び」じゃないんだよ。だからボクは「都会の競争」から外れて田舎の教師(信州大学講師)になった。そのころは一番活躍していたから、みんなからは、「加島はバカだな」っていわれたけど(苦笑)。

 《社会で生きるには社会の仕組みを受(うけ)いれ社会に受いれられる必要がある》《でもね、社会は人を受いれるだけでなくて利用し始める 要求は多くなり強くなる》 (加島祥造『受いれる』から)

 ーーただ、食べてゆくためにはがまんしなきゃいけないこともあるし、「責任感」の問題もでてくる

加島祥造 ; 30代、40代というのは、社会的にも家庭的にも責任のある地位に就く時期だから“ダブルの縛り”に遭うんだな。付き合う人もだんだんと、その“縛りの中だけ”になってゆく。これは相当すごいことなんだけど、みんな自覚していないんだよ。ただね、「社会の自分」をまったくゼロにしてしまったら生きてはゆけない。要はバランスなんだよ。現代人は、ちょっとそちらへ“偏り過ぎ”ているから「はじめの自分(自然の自分)」を取り戻さなきゃいけないんだ。

 ーー「はじめの自分」とは?

加島祥造 ; みんな、赤ちゃんのときは、素直で明るくて、善の性を持っていただろう? 「はじめの自分」にはその人の命を助け、成長させるエネルギーがあり、受け入れると、安らいだ気持ちになれる。アタマで考える欲望ではなくて、カラダで感じる生命との繋(つな)がりだな。「はじめの自分」を無視して社会で競争ばかりしていると生命力は減退し、人間的魅力や温かさに欠け、他人の痛みも分からない人間になってしまう。

 《内側に権力や形式や権威や金の壁で箱をつくるとほかのものは受いれられなくなるー 自由ややすらぎや楽しさはその箱の外へこぼれるよ どうする? 箱の壁に穴をあけることさ》(同)

 ーー「穴をあける」にはどうすればいいですか

加島祥造 ; ボクはまず大の字になって寝転ぶ(笑い)。自分の中に安らぎや喜び、優しさがあることを自覚することだね。そして自然に目を向ける。すると他の人の中にも見えてくる。自分のどこがアンバランスだったか分かるんだよ。

 ーーベストセラーになった詩集「求めない」から5年。「受いれる」は一歩進みましたか

加島祥造 ; 「求めない」の思想は80歳のとき「自分を楽に生きよう」というキーポイントとしてこの言葉が浮かんだ。「求めない」は「社会の自分」だけが対象だったけど、「受いれる」には生命と繋がっている「はじめの自分」という概念がある。それを感じて受け入れる。社会的にはたとえ「ダメな自分」であっても「ダメ」と決めつけないことだよ。

 ーー学校での「いじめ」が社会問題化しています。追い詰められたあまり「死」を選んでしまう子供も少なくありません

加島祥造 ; うーん。確かにボクらの時代には、いじめで自殺するようなことはなかったな。ただボクはね、最近のいじめの問題については、メディアが過剰に報道し、社会も過剰に反応している部分もあるんじゃないかと思っている。

 ーーどうしてもイヤなものからは「逃げたらいい」と書いていますね

加島祥造 ; ただね、自分がイヤな目にあったとき、「逃げられる子供」と「逃げられない子供」がいるんだよ。逃げられない子供の多くは家庭でも逃げ場がない。親から言われたことに文句が言えないんだな。学校でも家庭でも逃げ場がない。どこにもないんだ。

 ーー家庭で逃げ場がない子供とは?

加島祥造 ; 親のイメージの中に子供を閉じ込めてしまう。いい学校に入って、いい会社に就職して…と将来のレールを敷き、子供に自由を与えない。そうすると子供も親の喜ぶことばかりやるようになる。「過保護」は一種の虐待なんだ。親は子供そのものを受け入れることが大切。自由な気持ちや、伸びてゆくものを受け入れてやるべきだよ。

 ーー過保護な親が増えたのは少子化で子供の数が減ったからでしょう。昔は構いたくても構えなかった

加島祥造 ; 違うね。親も自分が育ったときに「怖かった」んだよ。だから、自分の子供は競争社会の中で、できるだけいいレールに乗せたい。教育もそのレールに乗っかっている。外れるのが恐怖なんだ。PTAはきっと、ボクのいうことに怒りを感じるだろうな(苦笑)。でもね、子供は誰だって自分で馬に乗って勝手に歩き回りたいんだよ。ボクは子供のころからずっと好きなこと(英語や翻訳)をやって、それで食べてこられたから幸せだった。

 ーー子供の側にも問題はありませんか。最近の若者たちは「生き抜く力」が弱い。結婚もしない…

加島祥造 ; どうやらキミとボクとは、だいぶ見方が違うようだ(笑い)。一見そうみえるかもしれないけど、子供は健全だよ。「はじめの自分(自然の自分)」の割合が多いからね。大学、社会人と進むうちに「社会の自分」の比率が大きくなっちゃう。現代社会の子供が特別なわけじゃないと思うんだ。

 母親は、なるたけ子供は放っておくことさ。そして自分の好きなことをさせる。すると、社会へ出ても自分の方向にいく。好きなことがあれば、たとえ独りでもつらくないんだ。イヤイヤやっているとストレスばかりたまって、そのうちに酒を飲み始める(苦笑)。

 ーー“草食系”も心配ありませんか

加島祥造 ; 深いものじゃないから、放っておけばいいよ。そのうちに(異性が)欲しくなるから…。ボクも昔は本能的に自由に生きたいと思い込んで、「家庭など決して持つまい」と考えていた。でもね、実際に子供ができてみると、かわいいもんなんだよ、これが。だから心配はいらない。

 ーー新詩集『受(うけ)いれる』のあとがきで、「大切な人」(80代で出会ったドイツ人の女医さん)との別れ(死)について触れていますね

加島祥造 ; 「受いれる」を書いて、もうほとんど出来上がったときだったけど、ボクは、それまでの人生で、これほど大きな「悲しみ」を経験したことがなかったんだよ。だから悲しみを受け入れられず落ち込んでばかりいたんだね。

 《その人は、高い知性と温かなハートで常に私を励ましてくれる最良の友でした。彼女が突然病に倒れ、回復を信じて疑わなかった私のもとへ悲しい知らせが届いたのです。それからの私は、一言でいえば、完全に打ちのめされた状態でした》

 ーーでも、そんな加島さんの姿を、その女性が望んでいるはずがない、と

加島祥造 ; そう。いつまでも過去(悲しみ)を引きずっている自分を望んではいない。寂しさや恐れは、過去や未来にとらわれた自分から来る。周りが変わろうとも、「今の80歳を過ぎたボク」が絶対なんだ。だから、ありのままの自分を自覚し受け入れて生きようと。そう考えると随分、楽になったんだよ。

 ーー自分の「死」については考えますか。人間にとって死は最大の「恐怖」じゃありませんか

加島祥造 ; どうして恐怖になるのかな? (人類が生まれてから)もう何百、何千億人と死んでいるんだ。なぜキミだけおっかながる必要があるんだよ。ひとりの人間はね、すごい存在なんだ。これだけのものを造り上げた自然の能力を考えてごらんよ。だから「死」というのは無駄に消えるんじゃない。また何かの形でいかされるんだと思う。その変化だけを受け入れればいい。

 ーー人間も大自然の中の一部である、と

加島祥造 ; 人間も、でっかい何かに繋(つな)がっているんだよ。アタマが分かんないだけで、きっとカラダは知っているんだと思う。変化を受け入れない人にはそれが理解できないんだね。

 ーー昨年の東日本大震災では多くの方が犠牲になりました

加島祥造 ; 亡くなられた方は本当に、お気の毒だと思います。自然というのは、こんな激しい災害をもたらすと同時に、再生する優しい能力も持っている。あらゆる生物を育てる能力も持っている。人間はその自然と繋がり、ともに生きる存在なんだよ。“ハードウエアの生活”ではなく、そうした柔らかく優しい心で今の社会を見つめ直すことが大事じゃないのかな。









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by magainfo | 2012-09-24 22:52 | 文芸

出生前診断   

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056.gif出生前診断(問題点,費用,ダウン症,病院,出生前診断) 掲示板
http://babyinfo.seesaa.net/article/292723839.html




(*)出生前診断 - Wikipedia
出生前診断とは、胎児の異常の有無の判定を目的として、妊娠中に実施する一群の検査のこと。広義では文字通り「出産までに行う検査および診断」であり、狭義では「異常が疑われる妊娠に対し出産前に行う検査および診断」を指す。


(*)出生前検査 - Wikipedia
出生前検査とは、妊娠中に行う胎児の状態に関する一連の検査のこと。
遺伝子異常、染色体異常、代謝異常、形態異常、胎児機能の検査などが実施されている。









(*)「NHKスペシャル 出生前診断そのとき夫婦は」
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0916/index.html
2012年9月16日(日) 午後9時00分

<概要>
妊婦が必ず受ける超音波(エコー)検査。ここ数年その機械は飛躍的な進歩を遂げ、これまで‘生まれるまで分からない’とされてきた胎児の病気や障害が、詳細に分かるケースも増えてきた。更に、この秋には、妊婦の血液検査だけで染色体の異常が99%以上の精度で診断できるとされる母体血検査が、日本で始まろうとしている。
実は日本では、胎児の異常(障害)を理由にした中絶は法的には認められていない。しかし、「母体保護」や「経済的困難」という名目で、中絶が広く行われているのが実情だ。
我々取材チームは、日本では珍しい出生前診断専門のクリニック「夫マタニティクリニック」(大阪市)で密着取材の許可を得、昨秋から継続してきた。胎児の異常を、早期に正確に把握し、母体と胎児の健康に繋げるための出生前診断だが、その一方で、障害の「宣告」、出産の「葛藤」、そして「命をめぐる決断」が日々繰り返されている。
いまという時代に障害のある子どもを授かることとは。 親とは、家族とは、命とは何なのか。科学技術の進歩で、妊娠・出産に関わる全ての家族が突きつけられることになった「命の選択」。大阪の出生前診断専門のクリニックを舞台に、命を巡る家族の葛藤と、その意味を見つめる。










(*)出生前診断 「命の選別」助長せぬルールを
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120908-OYT1T01202.htm
(2012年9月9日 読売新聞)

 胎児がダウン症かどうか、高い精度で分かる新型の出生前診断が、近く国内の約10医療機関で試験的に始まる。
 最新の生殖医療技術が「命の選別」を助長するような事態は、避けなくてはならない。
 安易な実施に歯止めをかけるため、日本産科婦人科学会などは、検査する際の基準を規定する指針の作成を急ぐべきだ。
 妊婦の血液から胎児の染色体異常などを調べる出生前診断では、既に「母体血清マーカー」と呼ばれる検査法が普及している。
 厚生労働省は「医師は勧めるべきではない」との見解を出しているが、強制力はなく、年間2万件近く実施されている。異常の可能性を知って、妊婦がショックを受け、人工妊娠中絶を選択するケースが少なくないとされる。
 ダウン症の発症を確率でしか予測できない旧来の方法に比べ、今回、試験的に始まる新型の診断法では、ほぼ確実に判定できる。専門医などの間で、「安易な中絶を助長する恐れがある」との懸念があるのも当然と言えよう。
 新型診断を導入している海外では、「障害者の排除につながる」として、家族らの団体が反対声明を出し、国際刑事裁判所に提訴した例もある。
 出生前診断が広まっている背景には、晩婚化に伴い、先天疾患のリスクが高まる高齢出産が増えている現状がある。「赤ちゃんの障害の有無を知りたい」という妊婦の依頼を、医師はなかなか断れない実情もあるのだろう。
 医師は、検査を要望されたら、ダウン症の正しい知識を丁寧に説明することが大切だ。
 ダウン症は知的障害や心疾患を伴うことが多い反面、医療や教育体制が整備され、多くの人は健やかに日常生活を送っている。
 妊婦の不安に応えるカウンセリング態勢の充実が欠かせない。現在、全国で約270人の専門家を増やしていく必要がある。
 米国では今年6月、妊婦の血液と父親の唾液から、胎児のすべての遺伝情報を解読することに成功した。実用化されると、ほとんどの遺伝性疾患を胎児の段階で調べることが可能になる。
 そうなれば、医療現場には今後、さらに重い課題が突き付けられよう。今回の新型診断は、その入り口に過ぎないと言える。
 生殖医療の技術革新に、利用や規制のルールが追いついていないのが現状だ。指針の作成においては、将来の技術の進展も見据えた議論が求められる。








(*)出生前診断 慎重に議論を深めたい
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/400807.html
(2012年9月1日 北海道新聞)

 妊婦の血液を採取することで子どもがダウン症かどうか確認できる出生前診断を、国立成育医療研究センターなどが導入する。
 道内では、北大や札幌医大が参加を検討している。
 子どもの染色体異常のリスクが高まる35歳以上が対象で、各施設の倫理委員会の承認を得たうえで、今秋から血液中の胎児のDNAを調べる計画という。
 ダウン症は母体への負担を伴う羊水検査によっても診断できるが、今回は採血検査だけで済み、判別精度が99%以上と高いため、診断を受ける人が増えることも予想される。
 出生前診断は、早期に異常を見つけ治療に役立てるのが目的だ。だが、異常が見つかれば、両親は重い判断を迫られるだろう。
 今後、営利目的の業者が参入する可能性も否定できない。同センターなどはこうした動きを抑制するため、医師向けに遺伝専門医の配置数など診断を実施する施設の基準を設けるとしている。
 病気や障害の有無などで出産を決める「命の選別」が広がらないためにも、基準づくりは当然といえる。
 ただ、基準を一部施設の内規にとどめてはならない。日本産婦人科医会や厚生労働省などが国民向けの指針をつくり、出生前診断について認識を広げる機会としたい。
 検査に当たってはダウン症について、両親や家族に丁寧で正確な説明が欠かせない。
 両親の悩みは診断後も続く。中絶を後悔したり、産んでも子育てに不安を抱いたりすることがあるだろう。医師や臨床心理士らが継続的にケアに取り組む体制づくりをまず求めたい。
 出生前診断は1970年代に始まった。超音波や血清マーカーによる検査も加わり精度が増している。
 診断法の進歩とともに中絶する人が増えているのも事実だ。日本産婦人科医会によると、2000年代後半は約6千件で、80年代後半の6倍超と推計している。
 母体保護法は胎児の異常を中絶の理由に認めておらず、母体の健康維持を拡大解釈して容認してきた。
 出生前診断に法的規制はなく、診断技術の進歩に制度が追いついていないことの表れと言ってもいいだろう。こうした法の不備も見直す必要がある。
 法で認めても受診後に出産するかどうかは、個人の倫理観や宗教観などに影響される。どんな決断を下すにせよ、子や親が差別や偏見にさらされてはならない。
 診断結果の情報管理のあり方を含め、積み残した課題は多い。慎重に議論を深めていきたい。








(*)出生前診断 安易な広がりは避けたい
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/322135
(2012年9月4日 西日本新聞)

 母親の胎内にいる胎児について、障害や異常の有無を調べることを出生前診断という。超音波画像の診断や、羊水に含まれる胎児の細胞の検査などがある。
 異常発生の確率が高い場合に行われる羊水検査の精度は100%に近く、国内では年間1万件以上も実施され、確定診断に使われることも多い。
 ただ、わずかながらも流産の危険性があるうえ、妊娠15~18週まで待たなければならないことから、異常が見つかった場合に大きく育った胎児の人工
妊娠中絶につながるなどの問題点があった。
 こうした中で、国立成育医療研究センターと昭和大病院などが今月から、妊婦の血液検査で胎児が染色体異常のダウン症かどうかをほぼ確実に判定する出生前診断を臨床研究で始めることになった。
 子どもの染色体異常のリスクが高まる35歳以上の妊婦などが対象で、米企業が開発した検査法を利用して行われる。妊婦の血液にわずかに含まれる胎児のDNAを調べ、ダウン症を含め3種類の染色体異常の有無を99%の精度で判別する。
 染色体異常の新生児の出生率は母親の加齢とともに上昇し、35歳では約380分の1とされる。出産年齢の高齢化とともに検査希望の妊婦も増加している。
 今回の方法は妊娠のおなかに針を刺す羊水検査と違い、採血だけで簡単にできる。妊娠10週目以降と早い段階で受けることができるメリットもあり、妊婦や胎児の身体的な負担軽減につながる。
 保険が適用されないため検査費21万円は自己負担となるが、従来に比べれば簡単に検査できる新しい出生前診断を受ける人が増えることは十分に考えられる。
 一方で、異常が見つかれば人工妊娠中絶につながる懸念もある。妊婦にとっては重い選択を迫られることになるだろう。その判断も容易ではない。「生命の選別」につながり、障害者の生きる権利と命の尊重を否定しかねないとして、ダウン症の人と家族の団体が検査の一般化や安易な実施に反対するのも理解できる。
 ただ、同様の検査は欧米で既に実施されており、国内での検査を求める声があるのもまた事実である。営利目的で業者が介入する危険性も考慮して、専門家の管理に基づく臨床研究という形なら一定の歯止めをかける効果もあるだろう。
 そのためにも、具体的な運用指針や心のケアを含めた専門家による妊婦への支援が欠かせない。臨床研究に参加予定の専門医らは先月末、専門外来の設置や妊婦にカウンセリングを行うなどの実施基準を確認した。症例を積み上げていく過程で態勢整備を進めていくべきだ。
 厚生労働省は学会によるルール作りが先決との立場だが、医療が高度化する中で生命倫理に関わる法整備の必要性が高まっている状況も見逃せない。
 いずれにせよ、こうした検査が安易に広がるようになると、社会に混乱を招く恐れもある。検査実施に当たっては、くれぐれも慎重を期してもらいたい。








063.gif妊娠の情報







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by magainfo | 2012-09-16 02:43 | 医療 介護